正社員をひとり雇うか？アルバイトをふたり雇うか？

人手不足が続くなか、中小企業が抱える採用の悩みは深刻です。
特に「正社員をひとり雇うか、アルバイトをふたり雇うか」という判断は、資金が限られる中で非常に重要な選択と言えるでしょう。
それぞれの選択肢にどんなメリット・デメリットがあるのか、わかりやすく整理してみました。

正社員を一人雇うメリット・デメリット

メリット

• 責任感が高く、長期的な育成ができる
  正社員は、アルバイトに比べて仕事に対する責任感が強く、スキルを積ませて中核人材に育てやすい。

• 業務の幅が広く、柔軟に対応してもらいやすい
  異動や役割変更にも対応できるため、組織の成長や変化に合わせやすい。

• 対外的な信用力が高まる
  営業や取引先対応など、アルバイトよりも正社員のほうが継続性と信頼性が重視される業務に適しています。

デメリット

• 人件費の負担が大きい
  一番のデメリットは、やはり人件費です。
  原則、正社員は社会保険に加入する必要があるため、賞与、有休、退職金などを含めると、コストはアルバイトの2〜3倍になることもあります。

• ミスマッチ時のリスクが高い
  一度雇うと解雇が難しく、相性が悪かった場合のダメージが大きい。

• 労務管理が複雑化する
  残業代や法定労働時間などの制約が厳しく、管理に手間がかかります。

アルバイトをふたり雇うメリット・デメリット

メリット

• ひとりあたりのコストを抑えられる
  勤務時間が短く、社会保険加入の条件を満たさないケースも多いため、金銭的な負担が軽い。

• シフト制で柔軟な運用ができる
  午前・午後に分ける、繁忙期だけ増員するなど、業務量に応じた調整が可能。

• 業務を分担しやすい
  ひとりにかかる負担が軽く、特定業務に特化してもらうことができる。

デメリット

• 責任範囲が限定的
  正社員にくらべて業務の幅を広げにくく、重要な仕事を任せるには不安が残ります。

• 離職率が高く、戦力として安定しにくい
  家庭の事情や副業との両立などで、急な退職や長期勤務が期待しにくい。

• 教育や引き継ぎに手間がかかる
  複数人を管理する必要があり、マニュアル整備や研修の手間が増えます。

まとめ：何を重視するかで選択は変わる

結局のところ、「長期的な組織強化を図りたい」のか、「コストを抑えて今の業務を回したい」のかで判断は分かれます。
長い目で企業を成長させていきたいのであれば、将来を見据えて正社員をひとりを雇ってコストを掛けるべきです。
それに対して、今が重要で、なるべくコストを下げたいのであれば、アルバイトをふたり雇ったほうが良いでしょう。
採用の正解はひとつではありませんが、どちらが現時点での経営課題を解決するのに近いかを見極めることが重要です。

正社員ひとり vs アルバイトふたり

補足：ハイブリッドも選択肢に
正社員＋アルバイトの組み合わせも視野に入れることで、柔軟性と安定性のバランスが取れるケースもあります。
今後、会社をどのようにしていきたいのか、業務の重要度と性質を見極めながら、賢く人材を配置していきたいところです。