フリーランスなら全員「事業所得」? 実はそうとは限りません

「業務委託契約だから事業所得ですよね?」

最近、フリーランスや副業をされている方から、このような質問を受ける機会が増えています。

確かに、契約書には「業務委託契約」と書かれているかもしれません。
しかし、税務上は契約書の名称だけで判断されるわけではありません。

税務調査の際、実際の働き方によっては、税務署から「これは給与所得ではないですか?」と判断されることもあります。

今回は、フリーランスの報酬が「事業所得」になるのか、それとも「給与所得」になるのか、その判断基準について解説します。

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なぜ所得区分が重要なのか

所得区分は、単なる名称の違いではありません。

事業所得か給与所得かによって、

  • 必要経費として認められる範囲
  • 青色申告の適用
  • 消費税の取扱い
  • 社会保険との関係

などに影響する可能性があります。

そのため、自分の働き方がどちらに該当するのかを正しく理解しておくことが大切です。

事業所得になるケース

事業所得とは、自分の責任と判断で独立して仕事を行い、その対価として報酬を受ける場合をいいます。

例えば、

  • 自分で仕事を受注している
  • 複数の取引先がある
  • 作業方法を自分で決めている
  • 自分のパソコンや機材を使用している
  • 成果物や業務の完成に対して報酬を受けている

といったケースです。

一般的なフリーランスのエンジニア、デザイナー、ライター、コンサルタントなどは、事業所得に該当することが多いでしょう。

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給与所得になるケース

一方で、契約書上は業務委託となっていても、実態としては会社員と変わらない働き方をしている場合があります。

例えば、

  • 毎日決まった時間に出勤する
  • 勤務時間を管理される
  • 業務内容を細かく指示される
  • 毎月固定額が支払われる
  • 他社の仕事を自由に受けられない

といった場合です。

このようなケースでは、税務上は給与所得と判断される可能性があります。

税務署は何を見ているのか

税務署は契約書のタイトルではなく、実際の働き方を総合的に見て判断します。

主なチェックポイントは次の5つです。

① 他人に仕事を任せられるか

本人以外でも業務を行えるのであれば、事業所得と判断されやすくなります。

反対に、その人しか業務を行えない場合は給与所得の要素が強いと考えられます。

② 時間的な拘束があるか

勤務時間が指定されている場合は給与所得の要素が強いです。

成果物の納品が求められているだけで、働く時間を自分で決められる場合は事業所得の要素が強くなります。

③ 指揮監督命令を受けているか

会社から細かい指示を受けながら仕事をしている場合は給与所得の要素が強いです。

自分の判断で業務を進めている場合は事業所得の要素が強いです。

④ 仕事の責任やリスクを負っているか

納品後の修正や損害賠償などの責任を負う場合は、事業所得としての性格が強くなります。

⑤ 機材や設備を誰が用意しているか

自分でパソコンやソフトウェアを準備している場合は事業所得の要素が強いです。

会社支給の設備だけで業務を行っている場合は給与所得の要素が強くなります。

フリーランス契約でも注意が必要

近年増えているのが、「契約上はフリーランスだが、実態は会社員に近い」というケースです。

特定の会社に毎日出勤し、勤務時間や仕事内容も管理されている場合には、税務上の問題が生じる可能性があります。

特に、1社専属で長期間働いている場合は、一度契約内容と実態を確認しておくことをおすすめします。

まとめ

フリーランスの所得区分は、契約書の名称ではなく実際の働き方からいろいろな要素を組み合わせて総合的に判断されます。

「業務委託契約だから大丈夫」と考えるのではなく、

  • 誰が仕事の進め方を決めているのか
  • 誰が責任を負っているのか
  • どの程度独立して仕事をしているのか

という点を確認することが大切です。

もしご自身のケースが事業所得なのか給与所得なのか判断に迷う場合は、早めに税理士等の専門家へ相談することをおすすめします。

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ABOUT US
細野祐史
1986年5月30日生まれ/岐阜県羽島市の細野祐史税理士事務所所長//マネーフォワードクラウド公認メンバー/freee認定アドバイザー/Macの使える税理士/テニス・バスケ・スノーボード好き/ブログ不定期更新